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駐車場のすぐ横にも、拝殿への道がある。
そちらは、階段ではなくスロープ状になっていた。
百々と東雲は、正面の階段の方の入り口から上った。
鳥居の前で一礼して、真ん中を歩かずに右側に寄って歩く。
参道の中央は神様の通り道だと、百々は小さい頃から一子に教わっていた。
それは四屋敷だからという理由ではなく、一般的な知識であり、東雲も同様に歩いた。
上っていくと、途中で左側に民家らしきものがあった。
どうやら、この神社の神職の自宅らしかった。
また、右側には手水舎があった。
百々と東雲は、ここで手と口を清めた。
鳥居を潜ってからここまで、二人は無言だった。
会話がないというより、百々の方が神社の雰囲気を堪能してそれに浸っているため、東雲が声をかけるのを控えているという方が近かった。
拝殿に至るまで、百々は自分なりに探り、感じながら、再び続く参道の階段を上っていった。
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