境戸神社

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香佑焔、どうしちゃったんだろう。 急に御守りを取り出して話しかけるというのも憚られていると、百々の動きが不審だったのか、東雲の方から声をかけてきた。 「どうかしましたか。」 「あ、いえ、えっと。」 当然、東雲に香佑焔の姿は見えず、声も聞こえない。 それでも、百々は香佑焔のことを東雲に打ち明けていたし、東雲もそれを否定したり笑ったり気味悪がったりしなかった。 だから、今回百々は思いきって香佑焔のことを話した。 「香佑焔が、静かすぎて・・・」 東雲がわずかに首を傾げる。 「いつもは、他の神社に来ると、うるさいくらい話しかけてきたり、作法がなってないとか文句を言ってきたりするんですけど。」 『無礼な。おまえに必要な躾をしているというのに、うるさいとは何事だ。』 「ひゃっ!」 やぶへびだった。 突然香佑焔に厳しくたしなめられ、百々はしゃっくりのような短い叫び声をあげ、すぐに恥ずかしさで赤くなった。
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