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ば、ばかばか!急に話しかけてこないでよねっ!
あたふたと慌てながら、百々はポケットの中の御守りを握りしめた。
完全に挙動不審になっている自覚がある百々は、恥ずかしくて東雲を見られない。
そんな百々の心境を、当然のことながら香佑焔は配慮しない。
『私がどれほど歯痒かったことか。いくらでもおまえに教えたかった。一子に止められていなければな!』
「え・・・」
『今回は危険なことは一つもなかろうから、おまえの修行として私は力を貸すなと言われているのだ。まったく!こんな用件、とっとと片付けてしまえ!』
何故こんなに香佑焔に怒られなければならないのか、不条理だ!と百々も内心憤慨した。
似合わない制服を来て小学校に行き、今もまたこうして境戸神社にまで赴いているというのに、こんな用件だのとっとと片付けろだの。
そして、何より。
「大おばあちゃんに止められたからって、とんだとばっちりじゃん・・・っ!」
ようするに、百々に手を貸すことを禁じられた香佑焔の八つ当たりのようなものだと理解し、百々はむくれた。
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