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不平を漏らした百々は、黙って待っている東雲に今の会話を話した。
実際に香佑焔と言葉を交わしたわけではない。
香佑焔の声が、百々の中に響いてくるだけなのだ。
百々の言い分すら、香佑焔は聞いていなかった。
「大おばあちゃんてば、香佑焔を止めてたなんて・・・」
おかげで自分が怒られるはめになったと、百々は文句を言った。
「・・・・・・安心しました。」
「へ?」
東雲の言葉に、百々はきょとんとした。
こんなに理不尽な怒られ方をしたと話しているのに、どうして東雲は安心などと言うのだろう。
「四屋敷さんもあなたを守る神使も、百々さんに危険なことはないと判断された、ということではないでしょうか。」
「あ・・・・・・そういう・・・」
ぷんぷんと怒っていた百々は、その言葉に抱いていた不平がしゅるしゅるとしぼむのを感じた。
危険はない、だから香佑焔は見守るだけでいいーー
そう一子と香佑焔が判断しているということは、何よりも安心できるということだ。
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