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しかも、この国で水はどこにでもある。
家庭にも神社にも。
内にも外にも。
「本当にあなたはよい選択をしましたね。」
曾孫の選択に、一子は満足したらしかった。
「それじゃあ、お願いします、大おばあちゃん。」
「あら、何をかしら。」
「え。」
お力をお借りする女神様を決めるという宿題を、百々はこなしたのだ。
だから、今度は一子がその神様と自分を繋げてくれるのだとばかり、百々は思っていた。
「あらあら、百々ちゃんたら。こちらが勝手に決めただけで、お力をお借りできるなんて、そんなこと、おほほほほ。」
おかしそうに口元を隠して笑う一子に、百々は嫌な予感しかしない。
「えーと・・・まだ何かしないといけないの?」
「当たり前ですよ。」
一子の目が、楽しそうに百々を見る。
あ、これ、よく無茶を言い出すときの目だーー
何度も見た一子のいたずらっ子のような視線に、百々は心の中で冷や汗を垂らした。
「あなた自身がお許しをいただいていらっしゃい。罔象女神様のところに行って。」
「え?え?ええっ!?」
百々は目を白黒させ、一子はまた笑った。
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