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「たださあ・・・・・・本当にごめん。」
飲み終わったアイスコーヒーのストローをくるくる回す史生は、目線を百々から逸らしている。
何となく気まずいような口調になった。
「知らないって最初は言ったんだけど、なんかしつこいから、つい。」
『近くに住んでる子は、そんなこと一度も言ってないから!』
「って、反論しちゃった。」
「反論、まあ、したくなるよね、私もしぃちゃんとその辻の話、全然してなかったし。」
「そうじゃなくて!近くに住んでる子ってあんたのことだって通じたでしょ、今!つまり私、そこを知ってます、その近くに住んでる子も知ってます、って宣言しちゃったのよ!」
「ああっ!ダメじゃん、しぃちゃん!何てこと言ってんの!」
「だから、ごめんて言ってるでしょ!」
史生らしくない失態と乱暴ながら繰り返し謝る史生の姿に、ああ、本当に嫌でいらっとして口を滑らしちゃったんだなあと、百々は気づいた。
今もふてくされたような態度だが、非常に決まり悪そうにそっぽを向いている。
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