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「それと、久保先輩が言ってたこと、もう少しあんたに伝えとく。」
百々と言い合ったあと、こほんと咳払いをして、史生は百々より先に自分の体裁を整えた。
「私だってつっこみいれたのよ。まず、何で神社関係者なら聞いたことがあるって思ったのかってこと。それと、パワースポット研究会のくせに、呪いってどういうことって。」
確かにおかしな話なのだ。
パワースポット=神社というわけではない。
むしろ、そういうものに興味がある者同士の又聞きであったり、ネットの無責任で勝手な書き込みであったり、そういうところから情報を得る方が最近ではありがちなのではないだろうか。
にもかかわらず、久保は史生に『神社関係者』などと言ってきたのだ。
「そしたら、その辻とやらは、神様が悪霊を封じているんじゃないかだの、四神を祀ってあるかもだの、実はその全部に昔は小さな社が建っていたかもしれないだの、とっちらかった持論候補を並べてきてね。」
『自分としては、かつて人々から敬われていた何らかの神様を奉っていた社があったと考えている。』
「んですって。」
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