辻に潜む

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「お社があったなんて聞いてないけど。その人、思い込みが激しいタイプ?」 勘でそんなこと言ってるのかなと、百々は呆れた。 聞かれた史生は、しばらく考えて、首を振った。 「思い込みって言うか、妄想が次々と湧いて出て、そこに飲み込まれて一人で浸っては幸福感に酔っぱらってる一人幸せタイプ?」 「わあ、気持ち悪いよう!」 「浸りきってるから、思い付いた妄想全部を捨ててない。絞りきれてない。だから、今回も悪霊説と四神説も捨ててない。むしろ、こんなに思い付く自分てすごい、みたいな?社があった説は、自分の一番の好みだからそこから推してるって感じね。」 それでは根拠も何もあったものではない。 思い付きがそのまま真実だと思い込んでしまいかねないのだ。 それにしても、一番最初の情報、久保がその辻のことをどこで聞いたのかはまだ明かされていない。 「その人の持論は横においといて、どうしてしぃちゃんの先輩がうちの近くの辻のこと知ったんだろ。」 「そこなんだけどさ・・・」
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