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四屋敷が長年祈り続け封じ続けていたのだ。
その念がこもった石が、完全に表に出切らないそれを、再び封じてしまう。
そこに『解』と刻まれてしまったら。
「依りしろのない状態でも、出てきやすくなるでしょうねえ。解放を許されたことになるのですもの。」
誰がそんな情報を久保に教えたのか。
四屋敷が代々抑えてきたものを、こんな形で破ろうとするのは。
「・・・あの青年のお相手、こちらで探らせていただきましょう。なるべく頼りたくないのですけれど。」
東雲の立場では、これ以上は無理だ。
それに対し、一子は自分のつてで探れると言う。
非常に嫌そうに言う一子を見て、百々はぴんときた。
「ああー・・・使っちゃうんだ・・・高見のおじ様。」
百々は、相手を想像して畳に手をつきがっくりと肩を落とし、東雲も眉をしかめた。
仕方ないでしょうと、そう言いながらも顔をしかめながら一子がスマホを操作し、電話をかけた。
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