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「あっはっは。いいものを拝めました。若いっていいですねえ、お母様。」
「あらまあ、あなただってまだお若いじゃありませんか。娘より年下でしたでしょ。」
「あの方の前では、年齢なんてものは銀河の彼方の話です!なにせ現在過去未来現世でも来世でも不変に素晴らしい方ですから。」
笑っていたかと思うと、拳を握りしめて力説する高見を、百々は今日も変な人だと痛感する。
こんなに変なのに、どうして支持率が高いのだろうと首を傾げたくなるが、性格や性癖と市長に必要な能力とは別物ということなのだろうか。
「それで、今日はどういったご用件でしょう。お母様がどうしてもとおっしゃるので、予定していた対談を変更してまで駆けつけたんですが。」
「10日もかかって駆けつけていただいて、嬉しいこと。」
恩着せがましい言い方の高見に、さらりと嫌みで返す一子。
「こちらも多忙なもんで。じゃあ、お待たせした10日分の働きくらいはしましょうか。僕の10日分は高くつきますけれどね。」
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