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一子と高見が会話すると、なかなか話が進まない。
百々は、自分から話してもいいかと、一子に申し出た。
史生が百々に持ち込んだ話でもあるので、一子は高見への説明を百々に譲った。
「あの、友達から呼び出されたのが、始まりだったんです。」
史生の名を伏せて、百々は史生の大学の先輩の話をした。
話しかけられた先輩が、パワースポット研究会なるものに入っていて、普段から超常的なものに興味をもっていたこと、そういう話が集まるサイトでこの近くの辻の情報を知ったこと。
「辻?それはどういったことかな?」
本来であれば、四屋敷の者だけが伝えてきた辻の本来の役割。
それを説明しないことには、話が進まなかった。
百々は、一子が頷いたのを確認して、辻のことを高見に話した。
外部の人間に話すのは、東雲に次いで高見で2人目だ。
東雲はともかく、高見は信じてくれるだろうかと案じながら、百々は辻の話をし、それから久保が夜中に辻で行っていたこと、そこで起こったことも正直に話した。
高見は、最後まで黙って聞いていた。
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