百々とお狐の見習い巫女生活ー修行編ー

会合

「僕は、そのサイトから退会した情報源を調べればいいわけだね？」

筋金入りのストーカー気質を自ら語るだけあって、高見は情報を集めるのが得意だった。

自分でやるのか、つてがあるのか、百々にはわからないが、ネットに関することに高見は抜群に強かった。

「できますか、高見のおじ様。」

「どうかなあ。最近、忙しくて腕が鈍ってしまったかもしれない。だって、調べ甲斐がないんだよ。」

聞いてよお孫ちゃんと高見に両手を握られ、百々はひえっと短い悲鳴をあげた。

「あの方のためなら、たとえ火の中水の中、ネットの情報の底無し沼を泳ぎ回り、必要以上の情報をもぎとって誉めてもらうという報酬があった！でかしたと一言声をかけていただけるという栄誉があった！今は、自分のためなんだ・・・こんなに虚しいことってないだろう？」

次期市長選候補者の情報は、生育歴から人間関係まですべて調べあげたし、財界における自分の支持者も反支持者もあますことなく調べているのに、やりがいがないんだ、などと嘆く高見に手を握られて、百々は目を白黒させる。

そんなことを自分に訴えて意味があるのか、と。