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「市長。」
百々が困っていると、東雲があっさりと高見の手を百々から引き離した。
無表情の東雲を、高見はきょとんとした表情で見つめ、それから爆笑した。
「あっはっは!いやぁ、ごめん、ごめん、お孫ちゃん。あの方のことに関する話となると、つい熱くなってしまって。」
やはり市長の重責にストレスが溜まっているのかなあなどと言う高見に、あなたにそんなものがあるわけないでしょうとそっけなく言い放つ一子。
「ともかく、話はわかった。僕をここに呼んで正解でした。」
「そ、そうでしょうか。高見のおじ様はお忙しいから、メールとか電話の方がよかったんじゃ・・・」
「メールは残るからね。いつ誰に覗かれるかもしれない。電話だって、どこで誰が聞いているかわからないしね。こうして絶対に録音されないと保証されている環境で、口から発すれば消えてしまう生の声で語る。メモにも残さない。それが一番。何故なら。
話を聞くと、どうやら四屋敷を敵とみなして攻撃したい輩がいるらしいからね。」
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