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「しぃちゃん!し・・!」
そこには、ぐったりとした史生が倒れていた。
瞼が重たげに半分下ろされていたが、完全に瞑っている訳ではない。
体は仰向けの状態で、傾けられた顔に何の反応も浮かばなかった。
弛んだ口から涎が糸を引く。
目や鼻孔からも涙などの体液が流れた跡がある。
臭気から、失禁もしているようだった。
あまりの状態に、百々は駆け寄った。
「しぃちゃん!しぃちゃん!!」
抱き起こそうとしても、体はまったく力が入らずに弛緩しきっている。
「効きすぎちゃったねえ。俺が自分で試して、史生ちゃんには毒にならないようなもんを選んだけど、俺と史生ちゃんとじゃあ体重も体質も違うからさあ。そこは大目に見てよ。」
「何をしたの!?しぃちゃんに何を!」
「そういうドラッグなんだよ。筋弛緩してトリップもしてるけど、多少は意識残ってるから、男にとっちゃ都合いいだろう?もちろん、優しい俺はそんなことしないけどね。」
その都合を考えただけで、百々は怒りと悲しみと悔しさでおかしくなりそうだった。
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