12604人が本棚に入れています
本棚に追加
百々は、弘雄の言葉の意味が一瞬わからなかった。
私の頭をーーしぃちゃんにつける?
弘雄の声が、どんどん遠ざかる。
その意味に思い当たったとき、百々は気が遠くなりそうになっている自分をどうにかとどめた。
弘雄は、百々と史生の首を落として、史生の体に百々の頭をつけると言っているのだ。
百々の顔と史生の体、そこに八重の魂。
それこそが、完璧な八重の復活だと、そう主張しているのだと理解した。
ふるふると首を振る百々に、弘雄が、ああ、と勘違いする。
「大丈夫!研究はしていたし、練習もしたから!ほら。」
物置と兼用だったという八重の部屋は、両側に棚がある。
そこから、一つの小さめの衣装ケースを弘雄が引っ張り出した。
半透明のそれは、中身がさらにビニール袋に入っていても外側から見ただけで、何が入っているのかおおよそわかり、百々が大きく長く悲鳴をあげた。
猫とも犬とも他の小動物とも言えない、何かの死骸がぎっしりと。
そこには詰まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!