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第5話 余暇の過ごし方
仕事の依頼も山場を過ぎ、ようやく暇な時間が訪れました。
あれだけ散々描き上げましたからね。
女神様もようやく『おやすみ』を下さったのでしょう。
なので今日は、ルーノさんと買い出しに出ようと思います。
「休みの日に男女でお店巡り……これはデートってやつですかね?」
私はこっそり期待しました。
なんだかんだ言って、親しい中の若者同士。
ちょっとくらい勢い付いて、間違いが起きてしまうかもしれません。
……なんて思ってたのですが。
「ルーノさん、約束通り買い物に行きますよ」
「ええー、面倒だし止めようよ」
「いいから! 最低限、晴れ着くらい買いましょうって!」
「いいよー、この服で僕は十分だからぁー」
子供のようにごねるルーノさん。
それを何とか引っ張り出しました。
あなたはイーゼルから離れられない呪いでもかけられてんですか?
まったくもう。
やってきたのは仕立屋さん。
社交界に出ても恥ずかしくない服を作ってもらう予定です。
以前は金欠だったから仕方ないにしても、今は結構稼いでしまってます。
なので今後は、貧乏を言い訳には出来ないのです。
「アリシアさーん。買い足したい絵の具があるんだけどさぁ」
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