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「へぇ。そんな遊びがあるんですね」
「じゃあいくよ。ちなみに何を書いたかは言っちゃダメたからね」
そう言ってルーノさんが貝を描きました。
さすがに本職は上手ですね。
じゃあ私は犬を、っと。
「ルーノさん、どうぞ?」
「ううん? んんーーッ?!」
「どうかしたんですか? 首がもげそうな程傾いてますが」
「……ごめん、これ何?」
初っぱなから失礼な。
持ち前の絵心で読み解いてくださいよ。
もうほんと、馴染みのある動物です。
「何って、犬ですけど」
「犬?! これが?」
「いや、大声止めてくださいよ。傷つく以前に恥ずかしいです」
「あ、ごめんね。あまりにも予想外すぎてさ」
「そうですかねぇ。奇をてらったつもりは無いんですけど」
「じゃあ何で足が10本くらい生えてるの?」
「それははしゃいでるからです。足をパタパタさせてるので」
「じゃあ、耳が左右六つあるのも……」
「ええ。それも耳をピコピコさせてるので」
そこでルーノさんはそっぽ向いて、頬をひと掻き。
きっと失礼な事を考えてますね。
「動きのある絵っていうのは、慣れた人がやるべきなんだ。最初のうちは止まっている絵を描いて、特徴を捉えられるようになってから……」
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