第1話 新生活

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窓際にベッド、そして安っぽいテーブルセットがあるのみ。 私もクソ貧乏ですからねぇ。 乙女の部屋と呼ぶにはあまりにも武骨で、ほんのり寂しさを覚えます。 急ごしらえに飾った花も、わざとらしく目に映りますね。 「こんなんじゃ、ルーノさんとか部屋に呼べませんねぇ」 あ、いや、別にルーノさん限定じゃなくて。 私も年頃の女性ですから? 男性をその、ご招待することもあるでしょう? いやいや、ルーノさんが来ても良いんですけど、そういうタイプじゃないっていうか。 でも、万が一来たとしたら、こんな感じですかねぇ……? ◆ 「アリシアさん、ちょっといいかな」 街が寝静まった頃、ルーノさんが部屋にやってきました。 虚ろな目をしていて、普段と様子が違います。 ゾクリと寒気を感じましたけど、とりあえず中に招き入れました。 「こんな時間にどうしたんです? まさか、夜這いじゃないですよね?」 ちょっとした軽口だったんですが、無視されてしまいました。 ココロに地味なダメージ。 そうですか、アリシアさんは対象外ですか。 「まぁルーノさんは期待の超新星ですから、私みたいな妄想女なんか……」 「そうだよ」 「ですよねー、私なんか見向きもせず……」 「アリシア!」 「は、はいッ!?」     
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