第1話 新生活

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手首を押さえられ、壁に押し付けられてしまいました。 強くて抗えない力。 普段大人しいルーノさんも、やっぱり男性なんだなぁ……ってノンキな感想は後回し! ルーノさんの暴走が止まる気配は有りません。 あれよあれよという間に、私はベッドに寝転がされてしまいました。 これは……ヤバイっすね? 「ルーノさん? もしかして酔ってますか?」 「そんなんじゃない。僕はもう我慢できないんだ」 「いやいやいや、子供じゃないんですから! まぁ子供はこんな事しませんけど……じゃなくて! ともかく落ち着いて!」 「嫌だ。僕は止まる気はないよ。君を手に入れるまでは」 ◆ 「そんな、ダメですよ。せめて手を繋ぐ所から……ゲフゥッ!」 ーードシンッ! 脇腹に激痛。 床にただ一人、転がる私。 どうやらベッドで妄想に耽っていたようで、もちろん部屋には誰もいません。 「アリシアさん、大丈夫?!」 隣部屋からルーノさんが駆けつけてきました。 その対応は嬉しいですけど、事情が事情だけに話しづらいです。 「あぁ、ルーノさん! 大丈夫です。何でもありませんから!」 「そうなの? すっごい音がしてたけど」 「あー。きっと『爆音の精霊』でも居たんじゃないです?」     
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