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手首を押さえられ、壁に押し付けられてしまいました。
強くて抗えない力。
普段大人しいルーノさんも、やっぱり男性なんだなぁ……ってノンキな感想は後回し!
ルーノさんの暴走が止まる気配は有りません。
あれよあれよという間に、私はベッドに寝転がされてしまいました。
これは……ヤバイっすね?
「ルーノさん? もしかして酔ってますか?」
「そんなんじゃない。僕はもう我慢できないんだ」
「いやいやいや、子供じゃないんですから! まぁ子供はこんな事しませんけど……じゃなくて! ともかく落ち着いて!」
「嫌だ。僕は止まる気はないよ。君を手に入れるまでは」
◆
「そんな、ダメですよ。せめて手を繋ぐ所から……ゲフゥッ!」
ーードシンッ!
脇腹に激痛。
床にただ一人、転がる私。
どうやらベッドで妄想に耽っていたようで、もちろん部屋には誰もいません。
「アリシアさん、大丈夫?!」
隣部屋からルーノさんが駆けつけてきました。
その対応は嬉しいですけど、事情が事情だけに話しづらいです。
「あぁ、ルーノさん! 大丈夫です。何でもありませんから!」
「そうなの? すっごい音がしてたけど」
「あー。きっと『爆音の精霊』でも居たんじゃないです?」
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