第2話  ルーノさんの常

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それから1日が過ぎ、2日過ぎ、3日目となりました。 そろそろ次の作品に着手する予定です。 なので私はルーノさんの元へ。 あれから1度も顔を見てないけど、大丈夫でしょうか……。 ーーコンコン。 ノックはしたものの、返事はありません。 もうお日様は高い所にあるんですがね。 「ルーノさん? アリシアです」 呼び掛けにも返ってきませんね。 まだ寝てるんでしょうかね? ーーカチャリ。 ちょっとだぁけ失礼。 ドアを半開きにして、中の様子を窺いました。 すると、キャンパスの前。 床に倒れ込んでるルーノさんが! 私は慌てて駆け寄りました。 「どうしました! 大丈夫ですか?!」 「アリシア……さん?」 「まさか病気ですか? どこか痛いですか?」 「ああ、うん。平気。ちょっと寝ちゃってたみたい」 寝ちゃったって……人騒がせな! そういうときはベッドまで行ってください。 数少ない家具の1つなんだから活用しましょうよ。 「ごめんね、驚かせちゃったねー」 「ほんとですよ、もう。これからはしっかり寝てくださいね?」 「いやぁ、どうも夢中になっちゃって。でも、その甲斐はあったよね」 イーゼルに乗せられたままの作品。 それは一輪の花を胸に微笑む私だった。 窓から降り注ぐ光が暖かそうで、見るものに安らぎを感じさせます。     
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