第4話  令嬢さま

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第4話  令嬢さま

「あっ」 「あっ……」 いつものようにルーノさんの部屋に行こうとしたところ、彼の部屋の前に一人の女性がたってました。 どうやら良いところのお嬢さんらしく、お付きの人も従えてますね。 もしかして依頼主でしょうか? ひとまず失礼の無いようにご挨拶をば……。 「こちらはルーノのアトリエとなっておりますが、ご依頼の方でしょうか?」 「あぁ、やはり先生のお部屋でしたのね? お返事がないので不安でしたの」 うおっ、眩しいスマイル! 一点の汚れもない箱入り娘の輝きだ! 暗い廊下に太陽が現れたかのようですよ。 ……っと。 驚愕はさておき、ルーノさんを呼ばないと! 「はじめまして、私はルーノの……仕事仲間です。ちょっと中を見てきますね」 ーーバタン。 スルリと美女の前を通り、ルーノさんの部屋に入り込みました。 えっと、ルーノさんはどこかなー……。 なんて探す必要もありませんでした。 「ルーノさん、起きてください! お客様ですよ!」 床に毛布敷いて寝てますよ、この人。 なんで頑なにベッドを拒むんですかね。 ーーペシリッ。 額に一撃。 それで目覚めるのが最近のお決まりです。 「魔女様、絵の納期は明日です。もう少しおまちあそばせぇー」     
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