第三章 芽生える父性?!

21/42
84人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
 地べたに膝まづきながら、意外と根っこの深い雑草と格闘する事2時間。 過ごしやすい筈の気温でも、額の汗が噴き出すほどに体は汗ばんでいた。 取っても取ってもきりが無い程、雑草は根強く繁殖している。 「はぁ」と、ため息をひとつこぼせば、ミクが少し離れたところからオレを見た。 「内田さん、休憩しようよ。喉乾いたし・・・後は、また今度にする!」 そう言ってオレの方に歩いて来る。 「そうだな、さすがにこれは今日一日じゃ無理だ。」 膝に付いた土を払いながら言うと、首に巻いたタオルで額の汗をぬぐった。 オレの横で、ミクも汗を拭いているが、髪の毛に草が付いていたから指で取ってやる。 汗で湿った髪の毛がオレの指に当たると、思わず手を離したが、何を一人で焦っているんだろうと恥ずかしくなった。 ミクは気に留める様子もなく、乱れた前髪を自分の手でサッと直しているだけで....。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!