chapter 2 隠した思い

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1月10日 「なぁー…あの藤川って何であんなおもろいんだろーな。知ってた?俺って意外と社会好きなんだぜ!」 と今日もそうしが陽気に話してくる。 私はそうしの方を向いて 「もう!今日もうるさいんだけど…質問ないんだったら授業に集中してよ!…ったくどこまでバカなの…。」 と言いながらため息をついた。 すると、そうしが大笑いしながら 「仕方ねーよ。俺は話したい時に話す主義なの!まっ、ガリ勉野郎にはお話の良さがわからないかー。」 と私のことをいじる。 「はい?ガリ勉って何よ!私だって勉強だけじゃなくてコミュニケーション能力はちゃんとありますから!」 と大声で怒鳴ったら 「柏木と宮澤…お前らうるさいぞ!コントなら休み時間に考えなさい。」 なんて注意されたじゃない! そうしが口パクで バーカ と言ってくる。 私も負けじと そうしがバカなんです!と口パクを返した。 でも何でだろう? そうしと言いあいしてたのに自然と笑みがうかぶ。 はぁ…ダメダメ!こういうこと口に出したらすぐそうしに笑い者にされるんだから! そうしと話してるからアイツにメロメロになってる女子には睨まれるし、「夫婦なんですか?」なんて質問してくる人もいるし ろくなことがない。…なんて思ってるうちに授業が終わっていた。 「はぁー…アイツの授業中に話しかけてくるくせ治してくれないかなー。ほんっとイライラしてくるんだけど…」 私はだらけきった声でみきに愚痴る。 みきはホワホワしながら 「そんなこと言っちゃってー。そうし君に恋しちゃってるくせにー!もういっそのこと付き合っちゃえば?…」 と言いかけていたみきの口を塞ぎ 「バカ野郎!!何言ってんのよ!これは恋愛相談じゃなくて悩み相談なんだから! 勘違いしな…」 と言いかけた所で私は話をやめた。 みきは何があったのかわからずソワソワしている。 …だって…みおとがこっちを見てるから… みおとは私の元カレ。 なんで私を見つめているの…?
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