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「欲しいプレゼントは二つ考えとけよ、ひなた」
「え?」
きょとんとするひなた。
「どうして? 二つもくれるの?」
「一つは専属マネージャーからのプレゼント。もう一つは……その、恋人として、おまえにプレゼントを贈りたいから」
めずらしく月野は端整な顔に照れくさそうな表情を浮かべている。
「月野さん……」
ひなたはうれしさのあまり、涙があふれそうになるのを必死でこらえた。
月野が運転中でなければ、彼に抱きついていたところだ。
月野がひなたのことを、はっきりと『恋人』と言ってくれたのは初めてのことで……。
「うれしい……」
どうしてもこらえきれなくなった涙を、ひなたは手のひらで拭いながら微笑んだ。
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