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月野は二人の体に飛び散った愛液をきれいに拭ってくれ、再び隣に入ってくると、腕枕をしてくれた。
「月野さん……」
「……ん?」
「オレのこと、少しは好きって思ってくれてる?」
「好きじゃなきゃあんなこと、できないよ」
「ほんとに……?」
ひなたがすがるような瞳で月野を見つめると、彼はどこか苦しげな表情で言った。
「おまえにオレの気持ちを言うつもりはなかったのに……」
「どうして?」
「それは……」
「……いつかオレのこと、重荷に感じる日が来るのが怖いの……? 月野さん……」
「ちがっ……」
「ねー、月野さん。オレのこと重荷になったら、そのときははっきりと言ってね? オレは……すごく悲しいけど……少しのあいだでもオレのこと好きだって思ってくれたなら、それでいい……。でもオレはきっと、いつまでも月野さんが好きだけどね。ね、心の中で月野さんを思っているくらいは許してね。……いつかその日が来ても……」
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