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おまえのほうが……
「ひなた?」
月野が声をかけると、ひなたはいつの間にかスヤスヤと眠っていた。
やれやれ。いろいろなことを勝手に思い込み、泣き疲れて眠っちゃうなんて……。
月野は苦笑した。
ひなたはまったく逆に思い違いをしている。
頬に残る涙のあとにそっと触れながら、月野は思った。
……オレがおまえを重荷に思うんじゃない。
おまえのほうがオレを重荷に思う日がやって来るんだよ、ひなた。
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