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幸せ。でも……
月野の敏腕により、ひなたの仕事は順調に増えていき、世間の知名度も高くなっていった。
まだまだ通行人Aとか台詞があっても一言だけとか、そういうレベルだが、役者としての一歩を踏み出している。
高校生活と仕事、毎日が忙しく過ぎていくが、ひなたはとても充実していたし、幸せだった。
月野は毎日、顔を合わせたときと、仕事が終わり別れるとき、キスをしてくれるようになった。
最初は触れ合わせるだけだったキスが、回を重ねるごとに深く激しいものになっていく。
仕事が休みの前日は、ひなたを自宅マンションへ泊めてくれるようにもなった。
大人のテクニックでひなたをイカせて、ときにはクリスマス・イブの夜のように二人の昂ぶりをぴったりと合わせて、いっしょに高みへと昇りつめる。
だが、月野は体を繋ぐことだけはしてこなかった。
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