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どんなことでも一途で真っ直ぐなひなたは、仕事場へ向かう車の中で、単刀直入に月野に聞いてみた。
「月野さん、オレのこと子ども扱いしてるでしょ?」
月野はハンドルを握りながら苦笑した。
「なんだよ? 急に」
「……オレのこと子ども扱いしてるから、さ、最後までしないんでしょ?」
「……は?」
月野は絶句した。
「……おまえ、いったいなんてこと言うんだよ……」
いつも冷静な月野がかなり戸惑っている。
ひなたは太ももの上で両方の拳を握りしめ、言葉を続けた。
「オレ、月野さんのこと、すごく好きで……愛してる……。だから……、月野さんと、その、ひ、一つになりたい」
「ひなた……」
月野が戸惑い顔から困ったような微笑みになる。
「体を繋ぐことだけが愛の形じゃないだろ? オレはおまえのことが好きだし、すごく大切に思ってる」
「…………」
ひなたは納得できなかった。
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