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月野の思い
その日の仕事は、週刊誌の撮影とインタビューだった。
カメラマンの指示に従い、ひなたはポーズをつけ、笑い、ときには愁いを含んだ表情を見せる。
彼の仕事ぶりを傍で見守りながら、月野はさっき車の中でひなたが言っていたことを考えていた。
『……オレのこと子ども扱いしてるから、さ、最後までしないんでしょ?』
『オレ、月野さんのこと、すごく好きで……愛してる……。だから、月野さんと、その、ひ、一つになりたい……』
月野だって本当は、ひなたと一つになりたい。
彼のすべてを自分のものにしてしまいたい。
でもそこまでしてしまうと、月野は本当にひなたを離せなくなってしまうだろう。
それが怖かった。
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