誕生日プレゼント

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誕生日プレゼント

 厳しい冬が過ぎ、季節は春へと移ろい、四月。  ひなたは高校三年生になった。  この世界に入るまでは、大学進学を考えていたひなただったが、悩みに悩んだ結果、進学はやめにすることにした。  大学でいろいろ学びたい気持ちは最後までひなたを迷わせたが、それよりももっと演技の練習をしたいという思いが勝ったのだ。  月野はひなたの意志を全面的に尊重してくれた。 「受験をしないとなったら、オレけっこう時間にも余裕ができるから、月野さん、うんと仕事入れてね!」  ひなたが張り切って言うと、月野ももちろん請け負ってくれた。 「分かってるよ。……それはともかく、ひなた、おまえ今月の二十八日、誕生日だろ? 何か欲しいもの考えとけよ」 「月野さん、オレの誕生日、知っていてくれたんだ……」  感動するひなたに、月野はサラッと答えた。 「当たり前だろ。オレはおまえの専属マネージャーなんだし」 「そ、そんな理由……?」  月野の色気のない答に、ひなたは今度はちょっぴり落ち込んだ。
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