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途中の洋菓子店でケーキを買って、月野のマンションへ帰った。
この部屋に入り、二人きりになった瞬間から、二人の関係はマネージャーとタレントから、恋人同士へ変わる。
二人はドアが閉まるのももどかしく唇を重ねた。
最初はチュッと触れ合わせるだけのキスから始まり、やがて舌と舌を絡めるディープなものへと移っていく。
ひなたはまだ大人のキスに慣れなくて、たどたどしく月野の舌へ触れてくるのがたまらなくかわいい。
「ん……」
深いキスの快楽に溺れて、ひなたは立っていられなくなったようで、月野が抱きかかえてリビングのソファへと運んでやった。
ぐったりとソファへもたれて、しばし激しいキスの余韻に浸るひなた。
彼の柔らかな髪を月野はやさしく撫でてやる。
「……ひなたは本当に感じやすいんだな」
「月野さん……、その言い方、なんかヤラシイよ……」
ようやく快感の余韻から抜け出せたひなたが、頬を染めて言い返してきた。
「だって本当のことじゃないか。この前なんかキスだけでイッた――」
「月野さんっ……」
「はいはい」
ひなたはしばらくの間、真っ赤になったままソッポを向いていたが、やがて月野のほうを見て、上目遣いにお願いをしてきた。
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