モデル

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 月野の言う通り、モデルの仕事はきつかった。  ポーズ一つ、表情一つにさんざんチェックが入るし、笑顔にしても、「もっと自然に」 「少し愁いを含んで」とか言われ、単に笑っている顔ではオーケイは出ない。  上下関係や礼儀にも厳しい。撮影の待ち時間も多く、拘束時間も長い。  学校がある日は放課後、撮影現場に直行。  休みの日もほとんどモデルの仕事でつぶれてしまう。  ひなたはへとへとになった。  それでも音をあげなかったのは、ひなたの撮影にはいつも月野が付き添っていたからである。  負けたくなかった。それ見たことかと言われたくなかったのだ。  だが、月野がいてくれて助かっているのも確かだ。  他のモデルたちとは別に着替えることができるようにしてくれたし、水着の撮影は避けるようにスタッフに言ってくれたのも月野だった。  それに加えて、早朝の撮影のときは月野が迎えに来てくれ、夜遅くまで撮影が長引いたときには、アパートまで送ってくれた。  正直言って、慣れないモデルの仕事で毎日疲労気味のひなたにとって、送迎は本当にありがたかった。
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