一章

18/21
48人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「昔みたいに、名前で呼んでくれないかな?」 「えっ?」 「だって、先輩って言われると、なんだか他人みたいで……」 「分かった。二人の時は名前で呼ぶね」 「俺も智菜美( ちなみ)って呼ぶから」 「うん」 ブレザーをハンガーに掛け、ビールも買ってあることを言うと、最初はビールにすると言って一本ずつ開ける。 その後、買ってきた徳利にお酒を入れて、横に瓶を置く。 銘柄がわかった方がいいと思って。 「うん、この酒美味しい。やっぱり煮物に冷酒もいいな」 「どれがいいか分からなくて、三本買ってきたの。お勧めって書いてあるのばかりだけど」 その後は居酒屋では最初はビールだが、その後にスナックやBARへ行かない日は日本酒か焼酎が多いというので銘柄を聞いておく。 「ベランダから、河川敷が見えるだろ?」 「うん、春になるとお花見の人か結構来てて、夏には花火も良く見えるんだよ」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!