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「住処ってか、家だろ?」
「うーん、でもウレシアの話を聞く限り、彼らはここに住んでいるってよりも、一時的に身を置いてるって気がするから…あながち住処も間違ってなさそうだけど」
「言われてみりゃそうかもしれんな。魔女が厄災を食い止めた話をウレシアは知らなかったしな。この街に住んでいれば嫌でも耳に入ってくるはずだ。もっとも、知らないふりをした可能性もなくはないけどな」
兄弟は妙な詮索をしていたが一旦やめ、魔女について調べることを念頭に置いた。
二人は一度街を出て、近くの集落に入った。先ほどの街に比べて小さく、建っている家々もボロボロだった。
人の姿はちらほらとしかなく、皆痩せ細り憔悴しきっていた。
「さっきまでとは打って変わってって感じだな」
「魔女が関係してるのは間違いなさそうだね」
グリム兄弟は集落の入り口付近に座っていた痩せ細った男女に声を掛けた。
「魔女について知ってることはありませんか?」
ヘルムがそう尋ねるや否や、男女は小さな悲鳴をあげて更に縮こまってしまった。痩せ細って浮き出た背骨が際立つ。
「や、やめろ…魔女の話をするなぁ……」
祈るように声を引き絞っていた。目には涙が浮かんでいる。
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