8人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
私、ルチアーノ姫様になります!
「ルチアーノはずいぶん前に行方不明になったんだ。多分、あの女の仕業だろうけど。」
えっ。ルチアーノ姫様は行方不明なの?あの女って誰だろう。
「あの女というのは?」
「女王だよ。つまり母親ってこと。継母である女王にあの子はいじめられてた。僕とルシェロス兄さんの目に付かないところでね。」
ルチアーノ姫様が受けていたことを話すフーガ兄様はとても悲しそうな顔をしていた。
「女王には連れの女の子がいた。そいつも継母同様ルチアーノをいじめてた。ルチアーノより年下だというのに。僕とルシェロス兄さんにも生意気な態度だった。ルシェロス兄さんと10離れているのにだよ?あり得ないと思わないかい?」
「最低ですね、その親子。聞いてるだけでもイライラしますね。」
「だろ?それで初めて君を見たとき、ルチアーノが戻ってきたと思ったんだ。ルチアーノと君は本当によく似ている。」
…ルチアーノ姫様じゃなくてすいません。
「フーガ兄様、そんな悲しい顔はなさらないでください。私はフーガ兄様が笑ってる顔が一番好きです。」
「っ?…やっぱり君はルチアーノだよ。どこに行ってたんだ?心配してたんだぞ…」
フーガ兄様は泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!