55人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は、凄く嬉しかった。
だから・・・
「出て行く、なんて、嫌・・・です。
誰とも別れたく・・・ない」
最後の方、声が震えてしまった。
弱々しくなってしまった。
だけど椿さんは微笑みながら、
俺の頭を撫でてくれた。
「ほら健、リンが嫌だって言ってるぞ」
「・・・リ、リンちゃんが言うなら、椿さん、いてもいいんじゃない?この家に」
「そもそもこの家の家賃を払っているのは椿さんだからな。出て行くとしたら俺たちだぞ」
「う・・・」
「リン」
呼ばれて顔を上げる。
椿さんが優しい眼差しで見ていた。
「アタシもトシも健も、ずっとリンのそばにいるから、安心なさい」
・・・うん、
椿さんが言うなら、信じられる。
ゆっくり頷くと、
みんなが・・・笑った。
最初のコメントを投稿しよう!