一度、死のうとしてみた

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【登場人物】 空也みさき(27)・・・OL ドローン(?) 【本文】 目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。 空也みさき(27)は自殺を図った。10F。屋上へと続くはずの階段。昇った先には柵。屋上には入れないようになっていた。最悪。振り返ると先ほど昇った階段。目の前にあるのは10段ほど。どうでもいい。身を投げ出してみた。が、まだ生きててしまった。 昇ることも、降りることも面倒くさい。ふと空を見上げるとドローンが飛んでいる。 見られているのか。まあどうでもいい。スカートをおっぴろげてやった。ドローンは微動だにしない。 腹が減ってきた。ドローンはまだ飛んでいる。 鳥もまた飛んでいる。鴨か。 そういうば豪一言われたことがあった。俺にとってみさきはネギだって。 鴨がネギをしょってくる関係性だって。何が言いたかったのか、あいつ…… 腹だけが減る。 ストッキングを脱ぎゴム鉄砲の要領で鴨に向かって撃ってみる。 が、あたらない。何度か打ってみた。めんどい。 夜。横になっている。と、ドローンが近づくのを感じる。 寝ているふりをして捕まえてみた。 「変態さんは何者?」「私はオカズ?」「……豪一?」 ドローン、無動。 「私に何をしたい」 カメラの下のライトが点滅。 もうどうでもいい。 ドローンを放り投げるが飛んでいかない。 カメラがみさきのほうをみる。 「……変態さん?」もう体力がないや。 「……録画できるなら遺書を撮りたいな」 豪一との不倫。クリスマスのドタキャン。不倫相手がもう一人いる…… ドローン、飛んでいく。 何かが落ちる音で目覚める、みさき。 朝か。あ、生きてるのか。 と、横には鴨。鋭利なもので切られたみたい。そして壊れたドローンも。 何で? と、階段の下の方から足音が。1段1段近づいてくる。
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