0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
【登場人物】
空也みさき(27)・・・OL
ドローン(?)
【本文】
目覚めるとそこは屋外階段の踊り場だった。
空也みさき(27)は自殺を図った。10F。屋上へと続くはずの階段。昇った先には柵。屋上には入れないようになっていた。最悪。振り返ると先ほど昇った階段。目の前にあるのは10段ほど。どうでもいい。身を投げ出してみた。が、まだ生きててしまった。
昇ることも、降りることも面倒くさい。ふと空を見上げるとドローンが飛んでいる。
見られているのか。まあどうでもいい。スカートをおっぴろげてやった。ドローンは微動だにしない。
腹が減ってきた。ドローンはまだ飛んでいる。
鳥もまた飛んでいる。鴨か。
そういうば豪一言われたことがあった。俺にとってみさきはネギだって。
鴨がネギをしょってくる関係性だって。何が言いたかったのか、あいつ……
腹だけが減る。
ストッキングを脱ぎゴム鉄砲の要領で鴨に向かって撃ってみる。
が、あたらない。何度か打ってみた。めんどい。
夜。横になっている。と、ドローンが近づくのを感じる。
寝ているふりをして捕まえてみた。
「変態さんは何者?」「私はオカズ?」「……豪一?」
ドローン、無動。
「私に何をしたい」
カメラの下のライトが点滅。
もうどうでもいい。
ドローンを放り投げるが飛んでいかない。
カメラがみさきのほうをみる。
「……変態さん?」もう体力がないや。
「……録画できるなら遺書を撮りたいな」
豪一との不倫。クリスマスのドタキャン。不倫相手がもう一人いる……
ドローン、飛んでいく。
何かが落ちる音で目覚める、みさき。
朝か。あ、生きてるのか。
と、横には鴨。鋭利なもので切られたみたい。そして壊れたドローンも。
何で?
と、階段の下の方から足音が。1段1段近づいてくる。
最初のコメントを投稿しよう!