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「ねぇねぇ新入生くん。君は自分の人生が劇的だと思うかい?」
満開の桜の下で、まばらに散るその花びらを浴びる美少女というまるでアニメのように絵になるシーンでその先輩は唐突に質問を投げかけてきた。
ショートヘアがよく似合うスラっとしたスレンダー美少女だった。
特に目を張ったのは際どいほどに際どいミニスカートの両脇に、カッターで切り裂いたようにできたスリットだ。
そのスリットから大胆にも覗いている白くて張りのある綺麗な太股は、健全な男子高校生にはあまりにも刺激が強すぎた。
「いや、思いませんけど……理由も言った方がいいですか?」
「いーや、大丈夫。君の人生観が知りたかっただけだし、その理由にまでは興味ないから。」
何というか、はんなりと喋る人だ。
京言葉のように標準語を喋る。
おっとりとねっとりとした、人を挑発するようで、どこか人を落ち着かせるような。
「えっと……先輩、でいいんですかね?」
「そうそう、先輩だよ先輩。
辺見びび。気軽にびび先輩と呼んでねー。」
「いや、初対面の先輩をいきなり下の名前で呼べるほどの甲斐性は僕にはありませんよ。」
ましてスレンダーでエロティックな美少女先輩だ。
いわゆるチャラ男とかリア充とかパリピとか、その手のタイプとは無縁の僕には、なかなか難易度の高い挑戦だ。
「それで辺見先輩。校門の前で待ち伏せて、僕なんかに何の用なんですか?
まさか僕の人生観にそこまで並々ならぬ関心があったわけじゃないですよね?」
「うん。まぁ、そうだねぇ。
別に私は君の人生観にさしたる興味は、ない。」
言い切った。
わざわざ校門前で待っていたであろうに、言い切った。
「私は一目、鼠の後輩に会っておきたいって思っただけなんだけど、ただ会うっていうのもなんか退屈だし、じゃあここは一つ聞く方も答える方も厨二病臭くて恥ずかしくなるような質問をしてみようかと思ったわけ。」
「鼠……?」
「まぁ後はそうだなぁ。先輩として、この学校に通う先輩として、手取り足取り指導鞭撻をしてあげようかなという気持ちも、まぁなかったとも言えないかなぁ。
と言っても、私転入生なんだけど。」
根底からして破綻してるじゃないか!
年齢的に先輩でも、この学校に通うという意味では僕と同列じゃないか!
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