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お昼
昼休みは大体、学食で済ます事が多い。
特に、最近は転校生に引っ張られて学園の人気者と学食で食べる事が多かった。
午前の授業が終わり、ああ今日もまた突進されるのか等と思っていたら、良一に手を取られ引っ張る様にして二人で歩いた。
向かってる先は学食みたいだ。
「急いで、どうしたんだよ。」
「え?だって、折角だから二人でご飯食べたいじゃん。」
お前何言ってるんだ?当たり前の事だろとでも言いたげに良一に返される。
ああ、まあそうか。恋人なら一緒に過ごしたいものかと納得して二人、転校生ご一行に捕まらないうちに学食に滑り込んだ。
そもそも、転校生に巻き込まれない為に恋人(偽装)関係やっているんだから、当然なのだろうか。
丁度奥の方にテーブルがあいていて座った。
転校生が来る前の日常の様に向かいあって。
良一が、からあげ定食、俺がとんかつ定食を頼んだ。
少し悩んでやっぱ肉だろうという事になった。
大盛りのどんぶりご飯とみそ汁それからとんかつにキャベツ。芸術品だなと思いながら手を合わせいただきますと言った。
それを見た良一が、ふっと笑みを深めた気がした。
「ん?どーかしたか。」
「いや、何でもないよ。いただきます。」
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