Ep1.波乱万丈なクラスメイト

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Ep1.波乱万丈なクラスメイト

「……これ、学校ですか?本当に」 目の前に広がる光景はまるでお伽噺にでも出てきそうな真っ白な城風の校舎…のようなもの。外山が言った通り現実味の無い学校で、その風貌は果たして〝 学校 〟と呼んで良いモノなのかすら怪しい。 「あたしだってこんな学校とは思って無かったわよ……」 この姫川学園は小等部から高等部までエスカレーター式で、途中編入は珍しがられるらしい。現に外山も質問攻めにあったとか   「とりあえず担任に会いに行きましょ!」 「担任って、普通ですよね?」 「……た、多分 〝この学校では 〟普通の部類なのよきっと…あたし達今まで普通の学校通ってたじゃない?」 校舎に向かって歩きながら昔話をしていると、成程。姫川学園の〝 普通〟は今まで一般庶民として暮らしてきた僕達にとっては正に非日常と呼べるものだった。 そこに立っていたのは己の担任であろう男。 ちなみに外山と同じクラス 「お疲れさーん」 ホストか。と思わずツッコミを入れたくなる程の茶髪の髪に少量の香水の匂い。その癖に眼鏡にワイシャツ、ネクタイときちんとした服だからこそ目立つ意味がわからない白衣。   「先生は保健医なんですか?」 ころころと口の中で棒付きキャンディを転がして、僕の質問に眉下げ 「ンなわけねぇだろうが、俺の担当は音楽だっつの」 「そんなルックで音楽とかありえないですよ鏡見てきた方が良いんじゃないですか?」 「ちょ、ゆっきー!いつもの辛辣毒舌の素がでちゃってる…!」 「……あ」 固まる外山と固まる僕。先生がころん、と口内で飴を転がせば、思い切り大爆笑   「は?」 「ぎゃははは!!良い良い!!俺そーゆー如何にもって感じ大好き、今年は波乱万丈な生徒ばっかになりそうだなぁ」 え?波乱万丈……? 「翔も詩音も居るし、アキちゃんもいるだろ?んでもって叶ちゃんに 藤谷…嗚呼、ここじゃ小谷で通すんだったか。お前も居る 」   賑やかな1年になりそうだなぁ?   そうぽつり、呟いた先生の瞳は愉しそうに笑っていた。
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