心ここに在らず、出逢い

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そんなポーッとしている私の前に再び現れたのは、私のテンションを著しく下げるこの女、高美である。 「麻美ちゃん。良かったねー。小金井くんとお話出来て♪」 無駄に語尾を上げて話すこの女、高美は私の表情が露骨に嫌そうに変わるのも構わず、話を進める。 「カッコいいよねー、小金井くんて。いつも3人組でつるんでるけど、他の2人もカッコいい。学級委員で、頭も性格も良くて…私、遠距離の彼やめて小金井くん狙っちゃおっかなー。」 私の気持ちに気づいてか気づかないのか、高美はそんな事をほざき出す。 その言葉に私の表情はますます歪んだ。 …っていうか、さっき小金井くんに「問題児」って言われてたの聞こえなかったのか? 「あ、そろそろチャイム鳴る。じゃあ、麻美ちゃんまったねー♪」 私が睨み付ける表情をしているのにも気づかない様子で高美は席を立った。
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