プロローグ

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プロローグ

受験や就職の事など、まだ考えもしない。今いる友達と大人になっても毎日一緒だと思っているような、世界が狭くまだまだ社会を知らない。そんな小学四年生も終わろうとしていた頃。父の仕事の関係で大好きな友達がいるこの町を離れ、遠い町の学校に転校する事になった。今なら仕方のない事だと受け入れる事が出来るが、当時の高橋春流(はる)にはそれが出来なかった。学校の友達も先生も皆大好きで、離れ離れになるのが嫌だったので、転校の事を父と母に知らされた時から毎日泣いて頼み込んだ。転校なんてしたくないと。しかし、父と母は決して首を縦には振ってはくれず、春流は毎晩枕を濡らしていた。     
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