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突き放すような言葉が後ろから浴びせられる。
俺は返す言葉もなく、ただ黙って言い訳がましく最後の一枚の結果を渡した。
すると直紀はそれを見て、言う。
「やっぱりこれ、当たってるな」
追い討ちのような一言につい俯く俺の前に、直紀は今受け取ったばかりのおみくじを差し出す。
「何?」
「待ち人のとこ、ちゃんと読んでみろ」
正直、もう見たくもなかったが、すでに直紀は普段は使わないような乱暴な言葉使いを始めている。逆らったら怒鳴られかねないと思い、その命令に従った。
「……」
そこに書かれていた文章に、俺はつい言葉を失ってしまった。
「確かにそうかもしれない」頭の中でそう呟く。
次の瞬間、直紀は言った。
「行けよ」
先ほどの命令には従ったはずなのに、怒っているような、いつもより強い口調だった。
「大丈夫。おみくじによると、引く時に俺が念じてた『二人がうまくいきますように』っていう願望は叶うらしいから」
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