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「まだ、子供じゃないか…」
フーリエが少し驚いたように呟く。向きを変えたミーシャと彼の前に立っていたのは、
白い衣服を纏った少女だ。顔は髪に隠れて見えないが、体中に張り付いた衣類は、
あちこちが赤黒く汚れ、それが固まった血である事がわかる。
「ガキを撃つのは目覚めが悪いが…」
そういいながらも自身の武器を構えるミーシャ、だが、少女の上げた手によって、
あっという間に銃が手元を離れ、廊下の奥に吹き飛んでしまう。
「不味いな…」
改めて、ホラーの神髄を見た気がする。恐らく話の中身的に言えば、この家以外の、
外の描写は、あまり出てこないだろう。という事は助けを読んでも誰もこない。
さて、どうする?考えるミーシャに少しずつ距離を詰めてくる女の子。
不味い、ホントに不味い…ゆいの奴、生きて帰れたら覚えてろ~。不意に隣のフーリエが
ミーシャより前に出たのを見て、少し驚く。
「この国はもっと平和と思っていたが…」
「んんっ?どうした?フーリエ?今のかなりピンチな状況下において、摩訶不思議な
コメントを聞いたぞ?」
ミーシャの素っ頓きょん!!(素っ頓狂)な声を無視して、少女にどんどん近づいていく。
「正直、お前達と組む仕事は楽しい。この国の漫画やアニメ的なキャラクターは可愛いし、ヒドイ側面を含む時は勿論あるが、それも同じ漫画チックな世界によって行われる行為と思えば、何も問題ないし、罪悪感も少ない。
(ゆいの能力によって、アニメや漫画世界から現れたもの、
また、挿絵ありの小説は、そのキャラ性がしっかり反映され、現実世界に来ても、違和感なく溶け込めるという超ご都合主義な利点があるが、それを現実世界で闊歩させるのは、まだ早いと考えるミーシャは攫ってきた者を同じ漫画、アニメ媒体の作品内
でしか売買していない。)」
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