「物語の中へ入れるよ?」同人部隊と特殊介入能力編!

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泣き崩れる少女の体が透けていく。これが日本でいう“成仏”という奴だろう。ヤバゲな 怨霊に近づいて、髪の毛掃って“美人宣言”するなんて、イカレタ祓い方もあったもんだが…まぁ、こーゆう展開を試みる度胸も大事か?俺達、同人部隊には… 少女の温もりを探すように、手を少し泳がせたフーリエが、こちらに向き直った。 表情はいつもの無表情。先程の涙はサプライズのようだな。そう考えるミーシャに、 静かに口を開くフーリエ。 「ミーシャ、ゆいさんに連絡して、ここから出してもらうぞ。」 「ロンモチだぜ!あぁっ~、あっの!可愛いゆいちゃんに地獄を見せてやろう じゃないのさ?」 「違う、彼女に頼んで、もう一度、この話に介入するんだ。」 「へっ?何で?…」…    暗い薄明かりの中で、少女は目を覚ました。足元を素早く走り去った虫のようなものは、近くのゴミ溜まりに消えていった。少しづづ壊れていく自分の世界はちゃんと自覚している。狭いアパート暮らしから、一軒家に引っ越してきた彼女は、初めてこの家を見た時に妙な胸騒ぎを覚えた。 「新しい家に引っ越すから、緊張してるのよ。」 そう笑った母親の顔…最近は黒ずんで、良くわからない。何日もお風呂に入っていないからだ。臭いもヒドイ。家じゅうに充満している。あんなに明るく、優しかったのが、見る影もない。父親は仕事から帰ってくるたびにイラついて怒鳴り声を上げた。“お化け”みたいな顔をした母親を怒って、殴りつける。少女はそれが辛かった。休日には自分を車に乗せて、遊びに行ってくれる父親はもういない。家の中一杯に、ゴミが散乱し、父と母の争う声が 響き渡っていく。原因は家族ではない。絶対に、この家だ。そうわかっていても何も 出来ない。助けにきてくれる人もいない。少女は膝を抱え、今日も何かが変わるのを待っている。ふいに自室の廊下から、ふらつくような足音と重いモノを引き摺る音が 聞こえてきた。引き摺る音は金属音。あれは父親が大事にしていた野球部時代の バットの音だ。何で、そんな物を持って、廊下を進んでくるのだろう?突き当りの部屋には自分しかいないのに。恐怖という感情が沸き起こってくる。嫌だ!来ないで!嫌だ! イヤだ!!
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