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「ハイッ、ゴメンなすって!お父さん~、あらやだ!ヒドイ顔。悪いね。少し眠ってな。」
(えっ?今、何て?)
不意に聞こえた声と連続して起こる軽めの打撃音、何かが崩れ落ちるのと同時に、
ドアを開けて入ってきたのは、見た事もない外国人の女性。テレビで見た兵隊さんが着る服を着ている。ビックリというか呆然とする少女を見下ろし、陽気に、日本語バリバリで言葉をかけてきた。
「ハイッ、ビックリしてるね!よくわかるよ。そういう感じ。でも、大丈夫!お父さんも
お母さんも皆、一緒にお引越しするからね!こんな怖い所じゃなくてね!お花いっぱい、
夢一杯な場所でもいい。リクエストにはちゃんと答えるからね!ホントはあたしより、
だいぶ適任がいるんだけど、恥ずかしがっちゃってさ。だから、おねーさんで勘弁!」
早口でまくし立て、軽々、自分を抱え上げる女性。そのまま光り輝く
(いつの間にっ!?)廊下に進む彼女に一つだけ質問する少女。
「あの・!!・・」
「な~あ~にぃ~?」
呑気な感じで話してくる女性、悪い人ではなさそうだ。
「な、何者なんですか?おねーさんは?」
「同人部隊!こーゆう世界を繋いだり、創ったりする存在!」
即答&笑顔で答える女性。少女には勿論、意味がわからなかった…
「いや~ホントに良かった。こーゆう使い方なら全然オッケーだよ~!ミーシャァ!」
「うん!そうだね。」
「元々、私の能力だって、1冊の本に出てくる人物や、物のみに影響を与える訳だから、
作品全体に影響を与える事はないからね。そう考えると、一つの作品が完成し、本や
原稿として、誰かに渡されたときから、創った人の手を離れるっていうのは、本当かもね。」
「うん!うん!そうだね。」
「ねぇ、ミーシャ。もうあの家族はフーリエ達が無事送り届けているし、私達も元の場所に戻ろうよ。何か開きっぱなしの本に二人で飛び込んだのはいいんだけどさ。内容ろくに
確かめなかったし、少し怖い、ゆい!怖いにゃん!!(若干の媚びを含んで)
な~んてね!エへへッ!」
「うん!うん!うん!そ・う・だ・ね!!(凄くご機嫌な笑顔を見せるミーシャ!
だが、それがとても怖い。)」
「あっ、わかったぁ!怒ってるんだね!ミーシャ、さっきの事、ゴメンね!何となくホラーで、“あ~怖かったなぁ”ってすむだけだと思ったからさぁ。」
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