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「ゆい?まさかっ!?」
手を伸ばそうとするミーシャの手を避け、控え目に開いた書物を手元に掲げ、
「バイバイ」
といった風に手を振った。本から放射される光に吸い込まれていく彼女達を冷静に見つめる。
ゆいは少しばかりの後悔を抱きながらも、ほっと一息をついた…
「痛ってぇ、ここは何処だ?」
頭を抱えながら、ミーシャは吠え散らす。いずれこーゆう結果になるだろうとは思っていた。反省点も多々ある。ゆいは知らないかもしれないが、正直の所、彼女が得た能力や異能の
存在達が少しずつであるが、この世界を闊歩し始めている。その兆候と言えるような事象、
出来事をいくつも見てきた。新しい時代が来ようとしている。そんな世界で生きるには
どうすべきか?まるで漫画のような出来事が現実化していく昨今で、戦うべきか?
それとも諦めるかっ!?得た結論はただ一つ、彼等、彼女達の特性や能力を利用しつつ、
やがて自分達がその能力を勝ち取る。このプロセスを説明した時、一部の戦友達がその行為を、紙媒体やweb媒体で行う創作活動、つまり同人に近いと言い、“現実媒体の同人活動”と評した。彼女達の部隊名誕生のキッカケだ。
(彼は異能者達の能力を利用する“二次創作”やがてその力を自身のものとして、
オリジナルの力を持つ“一次創作”と定義していた。)
「ミーシャ、コイツはやべぇぞ。」
えっ?ここでようやく同人部隊の面子紹介?と最初からいなかった感の溢れる仲間達が
話かけてくる。
頭を抱えたミーシャに?P-5短機関銃を放り、自身は手元に携えた小型の突撃銃MC51
のレバーを引いた、浅黒肌の強面“ベンガン”が油断なく声をかけてくる。
中東やアフリカで派手に暴れた実力は健在だが、その大男が震えている。状況を改めてみれば一緒に飛ばされてきた2人の仲間の姿がない。
基本的に自分達の手に負えない能力や出来事を描く世界には行っていない。
得るものも大きいが、失う物が大きすぎるからだ。キチンと考えなければいけない
(彼等が持っている銃器類にしたって、実際の戦場では危ないから、展示品の如く写真を
並べてくれる専門のカタログ雑誌の中から拝借した。)
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