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――思えばついていない人生でした。
小学生の時に、好きな男子に手作りチョコをあげたら、髪の毛が入っていたと後から言われるし、中学生の時は、虫垂炎で修学旅行に行けなかったし、高校に入って男子に告ったら、ネットで晒し者にされるし、すべてを変えてやろうと、勇んで入った東京のおしゃれな大学では、一人も友達が出来ませんでした。思い出しても涙しか出てきません。
それでも、何かが変わると信じて就職戦線を戦い抜き、勝ち取った大企業の内定。私のライジングサンは今始まるのよ。さようなら! 私の黒歴史!
――の、はずだったのに! なんじゃこりゃー! この会社が悪いんじゃない。すべてはこの部署に配属されたのが運の尽きだったんだ。そして、上司がこの柳係長だったことがすべての元凶。そうに違いない。
春日井は、喉元で鈍く光るナイフを、もう一度恐る恐る見てみると、意識が遠のくような目眩を感じた。入社してからの2ヶ月間が走馬燈のようにぐるぐる回っている。――ああ、これが『死亡フラグ』というものか。頭上にさんぜんと輝く死兆星。私はすでに死んでいる。春日井は、薄れゆく意識の中でそんなことを考えた。
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