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はちみつの王子様
僕の体はとても甘い、はちみつでできているはちみつ王子。
はちみつ王国に住んでいる。
僕はいつも部屋の中。クーラーが効いててとても涼しい。部屋の中でも楽しい毎日だ。だけど外にも出てみたい。
窓から外を眺めてみた。きれいな草原と広い空が広がっている。いつか外に出てみたい。それが僕の唯一の願い。
外に出たらどんな気分だろう?
きっと楽しい!
外に出たら何が出来るだろう?
きっといろんな事!
外に出たら何があるのだろう?
きっといろんな物!
考えるだけでわくわくしていた。
僕はある日部屋を抜け出した。
廊下を覗くと誰も居ない。
よし今だ!
階段を覗くと誰も居ない。
よし今だ!
玄関を見ると誰も居ない。
よし今だ!
僕は外に飛び出した。
思いっきり外の空気を吸ってみた。
外は家の中と違いとても暑かった。
僕の体はみるみる溶け出した。
はちみつの体はどんどん小さくなっていく。
「誰か、助けて!」
はちみつ王子が叫ぶと皆は仰天。急いで王子を抱き上げ溶けたはちみつを集めて家の中へ。
僕の体はさっきまでの半分の大きさになってしまいました。
「僕の体がちいさくなっちゃった!」
はちみつ王子は泣き出しました。
今度ははちみつの涙が溢れ、さらに体が小さくなっていきます。
はちみつ王子は大きな桶の中で泣き続け、はちみつになってしまいました。
はちみつになったはちみつ王子を見て、王様と王妃もはちみつの涙を流しました。王様も王妃みるみる小さくなりはちみつになってしまいました。
はちみつ王国は王様と王妃を亡くし、国民が皆はちみつの涙を流し、はちみつになってしまいました。
はちみつ王国ははちみつで溢れ、誰もいなくなってしまいました。
今でもそこにはハチミツの湖があるそうです。
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